津気屋は、「サイレント・オープン」です。
新店のオープン時でも、基本的に
告知はしませんし、チラシも打ちません。
「新店のオープンは盛大に、お祭り騒ぎ!」
というお店が多いですが、はっきり言って、
これは間違いです。
オープン時は資金的に余裕もありますし、
その資金を使って集客したいという気持ちは、
とてもよくわかります。
派手に告知をして、チラシを打っておけば、
「本当にお客様は来てくれるんだろうか・・・」
という不安も、いくらかは解消できるでしょう。
ですが、そのはやる気持ちを抑え、
慎重に事を運ぶ必要があるのです。
TVでよくある、
「新店オープンで大行列!
お客様がさばききれません!
オープン初日、売り上げ〇〇万円、おめでとう!」
みたいなのに惑わされないよう、
十分に注意してください。
あれは、演出も相当入ってます。
新店オープンは、ああいうものだ、
と思って真似するのは、はっきり言って
自殺行為に等しいです。
これから開業する、または、新店の
オープンを考えているという人は、
絶対に真似しないように気をつけてください。
オープンの基本は「サイレント・オープン」です。
「いやいや、榎本さん!
オープンの時こそお客様を
集めるチャンスじゃないですか!
お客様が来て、何が悪いんですか?
宣伝しないと、オープンしたって
分かってもらえませんよ!」
と思われるかもしれません。
では、新店のオープンは、なぜ
「サイレント・オープン」でなければ
ならないのかご説明します。
理由は簡単です。
オープンでお客様を大量に集めるのは、
メリットよりも、リスクの方が
大きいからです。
どれだけ綿密に計画し、完璧な準備を
していたとしても、オープン時は、
予想もしないことが必ず起こります。
どんなにシミュレーションをしていても、
それは防ぎようがないのです。
何がどれくらい売れるのかも分からないので、
在庫管理も当てずっぽう。
品切れのリスクも大きいです。
マニュアル通りに店員が動いてくれるのか、
果たして、そのマニュアルが使い物に
なるのかどうかすらも分かりません。
なので、サービスが行き届かなかったり、
不手際が起こる可能性も高いです。
実際に、フタを開けてみないと
分からないことが多すぎるのです。
一番トラブルの起こりやすい時期に、
大量のお客様を招き入れてしまうというのは、
リスク以外のなにものでもありません。
オープンの良し悪しは、今後のお店の
運命を左右します。
というか、オープンがすべてを握っている
と言っても過言ではないです。
さばき切れないくらいのお客様を
一気に集めて自爆してしまわないように、
十分気を付けてください。
はっきり言って、店がいくら忙しかろうが、
お客様には関係ないことなのですから。
忙しさを理由に、手抜きの商品・サービス、
そして不機嫌な気分を押し付けられるお客様は、
たまったものではありません。
それは、自分がお客になってみれば
よくわかることだと思います。
例えば、こんな経験ないですか?
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オープンと同時に大量のお客が流れ込み、
バタつく店内。
店外には、長蛇の列。
とりあえず入店したものの、
いつまで経っても案内にこないので、
どれだけ待てばいいのか、
どの席へ座ればいいのか、まったくわからない。
混雑する店内でやっとこさ席を確保し
なんとか座れたものの。
一向に注文を聞きにこない、お冷もない、
注文しても、なかなか料理が出てこない。
「すいませ〜ん!」と声をかけても無反応。
本当に聞こえてないのか、それとも
聞こえてないフリをしているのか・・・。
近くを通りかかった店員に声をかけると、
「こっちは忙しいんだよ!」と言わんばかりに
不機嫌そうな態度を見せられ、
「少々お待ち下さい」と、
若干イラつき加減で塩対応。
そして、また放置。
数十分も待たされた挙句、
やっと出てきた料理が間違っている。
「えっ!?これ頼んだものと違うんだけど・・・」
頼み直すと、また数十分も待たないといけないし、
どうせまた、不機嫌そうな対応をされるのだろう。
しかも、ピーマン食べられない。
結局、食べられるものだけ食べて精算。
料理の味も何もあったもんじゃない。
不快な気分しか残らない。
「もう、二度と来るか!」
早く、この散々な出来事を誰かに伝えたい!
そう思いながら、帰路につくのであった。
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と、少々オーバーではありますが、
よくありがちな新店オープンのパターンについて
物語形式でご紹介させていただきました。
まあこれは、新店オープンに
限ったことではありませんけども。
新店オープンの場合は、これが顕著に
現れてしまうのです。
新店オープンなので、当然のことですが、
すべてのお客様は新規でのご来店です。
第一印象が悪ければ、
まずリピートには繋がりません。
そうでなくとも、リピートしていただくのは
相当ハードルが高いのですから。
しかも、悪い噂というのは、一気に広まります。
そのスピードは、一説では、良い噂の
なんと10倍の速さとも言われているくらいです。
最近では、ネットで一瞬にして拡散しますから、
わずかなボタンの掛け違いが命取りに
なりかねないのです。
目先の売り上げよりも、まずは良い商品、
サービスを提供する。
そうすることが、結局は繁盛店への
近道になるのです。
私は、出店のプロデュースもしております。
なにか、わからないことや
聞いてみたいことがありましたら、
お気軽にメッセージをください。
では!
※注
画像は、西川口店のオープン時のものです。
新店がオープンしたわけではありませんので、
よろしくお願いします笑
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