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モチベーション3.0の提唱者「ダニエル・ピンク」

ダニエルピンク氏は、アル・ゴア副大統領の首席スピーチライターを
努めたことで有名な人物です。

現在は、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの記事や
論文を執筆しており、著書には、

  • 「ハイコンセプト」
  • 「フリーエージェント社会の到来」
  • 「モチベーション3.0」

などがあります。

このダニエルピンク氏が提唱した、
新しいモチベーションの考え方。

それが、「モチベーション3.0」です。

では、モチベーション3.0とは一体なにか。
詳しく説明していきます。

モチベーションの種類

モチベーションの種類を簡単にまとめると、
以下のようになります。

モチベーション1.0

生存(サバイバル)が目的。生きるか死ぬか、食うか食われるか。
(生理的欲求・生存欲求)

モチベーション2.0

アメとムチに基づいて与えられた動機づけ。ルーティンワーク中心の世代には有効。(外発的動機づけ)

モチベーション3.0

自分の内面から湧き出る”やる気”に基づく。やめろと言われてもやりたくなってしまう。(内発的動機づけ)

ダニエルピンク氏は、モチベーションを
コンピューターのOS(基本ソフト)に例えて
表現しています。

では、それぞれのモチベーションを
詳しく見ていきましょう。

モチベーション1.0

人類初期のOSです。

食料を取ったり、猛獣たちから身を隠したり、
ひたすら生きるために行動する、
ということがモチベーションになります。

その他の動物たちと、そう大差のない
モチベーションです。

現代に例えると、やりたくない仕事でも、
生活のためなので仕方なくやる、というイメージになります。

これが、モチベーション1.0です。

そして、人類が進化していくにつれて、
このモチベーション1.0では対処できないことが
増えていきました。

そこで生まれたのが、モチベーション2.0です。

モチベーション2.0

モチベーション2.0は、人間社会の現実を
より反映したものとなりました。

簡単に言うと、報酬を求める一方、
罰を避けたいという動機づけです。

このモチベーション2.0は、世界経済の発展に
なくてはならないものとなりました。

働けば報酬を、サボれば罰を、
アメとムチ、ということです。

モチベーション1.0に比べれば、飛躍的な
進化を遂げたモチベーション2.0ですが、
これも完全なものではありません。

現在の主流は、このモチベーション2.0です。

働いて給料をもらう。

サボれば減給されたり、クビになったり、
罰を受ける。

これが当たり前になっています。

しかし、時代の流れと共に、
このモチベーション2.0だけでは、どうしても
うまくいかない場合が出てきました。

そこで生まれた考え方、
それがモチベーション3.0なのです。

モチベーション3.0

モチベーション3.0は、内発的動機づけに基づく行動。
簡単に言うと、自分の好きなこと、やりたいことなので、
自分から行動する、ということです。

この、モチベーション3.0に必要な要素は3つあります。

自律性 やらされるのではなく、自ら考えて行動する
熟達 価値のあることを上達させたい
目的 意味のあることをおこなう

 

 

 

 

これら3つの要素を満足させた、内から湧き上がる
“やる気”に基づくモチベーション。

これが、モチベーション3.0と言われるものです。

モチベーション3.0でなければならない理由


これまでは、モチベーション2.0で生きていても
普通に生活することができました。

先ほどもお話ししたように、アメとムチに基づいて動機づけをおこない、
単純作業であるルーチンワークをこなしていれば良かったからです。

しかし、インターネットや人工知能、ロボットの普及により
単純作業はどんどんオートメーション化されています。

誰でもできる単純作業は、どんどん人間の手を離れています。

しかも、ルーチンワークのような単純作業であれば、
賃金の安い外国人労働者でも十分に対応できるわけです。

これまでの、アメとムチ式のモチベーションの時代は
もはや終わりを告げようとしています。

これからは、アメとムチ式のモチベーション(外発的動機づけ)でなく、
自分の内面から湧き上がる”やる気”に基づくモチベーション(内発的動機づけ)。

すなわち、モチベーション3.0でなければ、
生き残っていくのが厳しい時代になっていると言えるのです。

モチベーション3.0をスタッフ教育にどう活かすか?

私は、これまでたくさんのアルバイトスタッフを見てきました。

最近の、高校生や大学生のアルバイトを見ていて思う事は、
お金のために働いているのはもちろんなのですが、
あまりお金お金言わないなぁ、ということです。

さらに言うと、お金のために、って言っても
あまりモチベーションがあがらないというか、
動機づけにならない、とも感じています。

余談ですが、数年前の学生のアルバイトさんは、
お小遣いを稼ぐためだけに働いていた人が、ほとんどでした。

ですが、最近は、生活費や学費の為に
お金を稼ぎたいという学生さんが増えてきています。

そういう人のためにも、しっかりとスタッフ教育をして、
自分の力で稼ぐことができる、社会に出ても
すぐに通用するような人材にしてあげたいと
思っているのです。

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