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繁盛飲食店をつくるための人材育成の方法とは?

飲食店経営をしていると、必ずと言っていいほどぶつかるのが
「人材育成」の壁です。

行列のできる繁盛飲食店をつくり、飲食店経営を安定させ、
長期的・永続的に商売を続けていくためには
真剣に人材育成に取り組んでいかなければなりません。

私は、飲食業と出会って30年、独立して28年になります。
これまで、のべ1000人以上の人材の育成に関わってきました。

繁盛飲食店をつくり経営していくには、
商品やサービスはもちろん大切ですが、
それ以上に、人材育成が大きな課題になるのです。

今回は、私がこれまで30年間積み上げてきた
知識・経験・実績をもとに、繁盛飲食店を経営するための、
人材育成の方法をお話しさせていただきます。

月商1200万円、3店舗で3億円以上を売り上げる
『津気屋』の人材育成の方法もシェアします。

これを一通り読んでいただければ、私がどのように
人材を育成し、繁盛飲食店をつくり上げているのか、
すべてお分かりいただけるはずです。

繁盛飲食店をつくり経営していくために、
どのように人材育成をしていけばいいのか。
その方法を、詳しくお話ししていきます。

 

目次

飲食店の廃業を招く2大原因

飲食業の廃業を招く2大原因は、

  • 資金繰りの悪化
  • 人材問題

と言われています。

お店が廃業する一番の原因は、言うまでもなく
『資金繰りの悪化』です。

お客様の減少、販売不振、仕入れや
ランニングコストの増加など
いろいろ原因はあると思います。

 『うまいものを出していればお客様は来る』
という時代は、もはや終わってしまいました。

実際、料理はとても美味しいのに
お客様が増えずに閉店してしまうお店は
本当にたくさんあります。

「えっ!?あのお店が閉店したの!?」
という経験はないでしょうか。

ミシュランの星を獲得したお店ですら
閉店してしまうというのが、いい例だと思います。

これからは、提供する料理やサービスと同時に、
集客・経営などをしっかり戦略的に考えていかなければ
生き残っていくのが難しい、ということです。

 そしてもう一つが、『人材』の問題です。

人材問題が直接の倒産原因になっていると聞くと
意外に思われるかもしれませんね。

実は、後継者不足・人手不足などの人材難によって
廃業に追い込まれるお店は、意外と多いのです。

飲食業界の深刻な人材不足問題

最近の飲食業会は、

  • 求人を出しても反応がない
  • 応募があっても採用に至らない
  • 採用しても続かず、すぐに辞めてしまう

というような、人材に関する問題が
とても深刻になってきています。

しかも、最低賃金も上がってきていて
人件費の増加も大きな悩みのタネです。

大手の外食チェーン店などは、賃金の安い外国人労働者を
積極的に採用して、教育プログラムを導入するなど
すでに人材問題に手を打ち始めていますよね。

ですが、小規模で経営している個人店などは
いくら賃金が安いといえど、外国人を雇って
教育していくような余裕などありません。

高いお金を払って求人広告を出しても反応は少ない。

少ない募集の中で、仕方なく雇ったものの、
続かず短期間で辞めてしまう。

で、また高い広告費をかけて求人を出す、の繰り返し。
次、いつ従業員を雇えるかも分からない。

一体、どうやってこの人材不足の状況を
乗り切っていけばよいのでしょうか。

その方法を、これからお話ししていきます。

繁盛飲食店の人材を育成する方法「3つのポイント」

私の経営するラーメン店「津気屋」で実践している、
人材育成の方法「3つのポイント」をご紹介します。

3つのポイントは、以下のものです。

・ゴールとプロセスを明確にして共有する

・良好な人間関係をつくり信頼関係を築く

・役割を明確にして個人の能力を上げ役割を全うする

順番にご説明していきます。

と、その前に、実際の人材育成にあたり
知っておいていただきたいことがあります。

それが、従業員の仕事に対する「モチベーション」の考え方です。

こちらは、長くなりますので、
「新しいモチベーションの考え方」ということで
別ページにまとめておきました。

まずは、こちらに目を通していただいてから、
本編をお読みいただければと思います。

→ 新しいモチベーションの考え方についてはこちら

ゴールとプロセスを明確にして共有する

ゴールを明確にして従業員と共有する

まずはじめに、ゴールを明確にして、
従業員と共有する必要があります。

ゴールを明確にするために、下記の質問を考えてみてください。

お店の理想像や夢など、この先どんなお店にしていきたいか、
ゴールをできるだけ具体的に、鮮明に書くのがポイントです。

  • あなたのお店のゴールイメージは何ですか?
  • どんなお店にしたいですか?

いかがですか?

ゴールを明確にするのは、とても大切です。
ゴールがはっきり見えていなければ、
そこにたどり着くことはできません。

ぜひ、ゆっくり時間をとって、納得のいくまで
お店のゴールを考えてみてください。

では、次です。

プロセスを共有する

そのゴールに行くためには、そこまでのプロセスも
明確にし、共有する必要があります。

それでは、次の質問を考えてみてください。

  • そのゴールを達成するために、何を、どんな順番で
    いつまでにおこなえば良いですか?

いかがでしょうか。

一人の場合は共有の過程は必要ありませんが、
チームの場合は、プロセスも共有する必要があるわけです。

ゴールを決める
   ↓
それを達成するために必要な事をパーツごとに分解する
   ↓
優先順位の高いものから並べなおす
   ↓
いつまでにおこなうか、期限を設定する

このステップでおこなうことで、目指すべきゴールに近づく
スピードが早くなる、ということです。

津気屋のゴール

例えば、津気屋のゴールは、

津気屋のゴールとプロセス

 

津気屋のビジョン

津気屋のビジョン(将来像)は、

 

津気屋のビジョン

津気屋のミッション

津気屋のミッション(日々のゴール)は、

 

「美味しいつけ麺・元気接客・快適空間で
お客様に喜んでいただきたい」
という思いで、満足ではなく感動のレベルで
喜んでいただくことを使命とします。

 

以上が、私が経営するラーメン店「津気屋」の
ゴール、ビジョン、ミッションになります。

いわゆる、飲食業でいうところの「QSC」にあたる部分です。

※QSCとは、

Q=Quality(クオリティ)
S=Service(サービス)
C=Cleanliness(クリンリネス)

余談ですが、昔はお店が少々汚れていても、
店主や店員の愛想が良くなくても
味がよければそれなりに繁盛していました。

ですが、現在はこのQSCがすべて揃っていないと
繁盛店をつくるのは、なかなか難しくなってきているようです。

話を戻すと、例にあげた津気屋のゴールを分解して、
日々のプロセスに落とし込んだもの、
これがミッションになります。

優先順位

そして、次が優先順位です。

また、津気屋の例をあげます。

  1. 安全
  2. 品質
  3. 礼儀正しさ
  4. 効率

これが、津気屋の優先順位です。
これに従って、仕事をしていきます。

補足させていただくと、もし仮にお客様の安全が脅かされることがあった場合、
品質・礼儀正しさ・効率は優先されない、ということですね。

約束

次が、約束です。
さらに具体的にします。

津気屋の例をあげます。

  • 時間と期限と約束とルールを守ります
  • 自分を愛して、他人を愛します
  • やさしさと笑顔を絶やさずに、人の悪口は決して言わず、長所をほめるように努めます
  • 自分がして欲しいことを他人(お客様・スタッフ)にします
  • 自分がされて嫌なことは他人(お客様・スタッフ)にはしません
  • お客様の喜ぶことはすぐにやり、喜ばないことはすぐにやめます

これが、津気屋の約束です。
これを毎日目指しています。

プロセスを共有するポイント

プロセスを共有するにあたり、ひとつ問題があります。

実は、文章の解釈は人それぞれなので、
とらえ方が違ったりすると、実際に頭の中にできるイメージが
違ったものになってしまうのです。

なので、たどり着くゴールがずれてしまう、
ということが起こってしまいます。

そのイメージのズレを修正するためにしなければならないのが、

  • ゴールとプロセスを数値化、視覚化する

ということです。

ゴールとプロセスを共有する効果的なツール

文章の解釈の違いによるイメージのズレを修正するために、
ゴールとプロセスを数値化・視覚化します。

そのために効果的なのが、「ツール」です。

例えば、どのようなツールがあるかというと

  • 理想営業採点表
  • 店舗収支採点表
  • 理想店舗組織図

などがあります。

曖昧・漠然としたイメージをしっかりと数値で表し
視覚化して連動させる、ということです。

お客様に感動を与えるといっても、
その解釈は人それぞれ違います。

なので、実際に何人のお客様に感動していただくのか、
何人のお客様にリピートしていただくのか。

具体的な数字を提示する事で、正しいゴール・プロセスを
共有する事ができるのです。

人材育成のゴールを共有する

ここは、人材育成において
非常に重要なパートになります。

また、ここで一つ質問をします。

  • あなたは、従業員にどのようになって欲しいですか?

これは、人材育成の成果を左右する、
非常に重要な質問になりますので、できるだけ具体的に
時間をかけて、しっかりと考えてみてください。

ここで、しっかりと理解していただきたいことがあります。

それは、

従業員は、勝手に成長しない

ということです。

従業員は、なぜ成長しないのか。
それはズバリ、ほったらかしにしているから、
育てないから、なのです。

FC展開しているような大手で、マニュアルもしっかりしているのに
積極的に育てようとしていないところがあります。

仕事ができるようにならない、成長しないと嘆いている。

ただ作業ルーティンに沿って教えているだけでは、
従業員はなかなか成長してくれません。

センスのあり・なし、仕事ができる・できないで判断するのではなく、
なるべく離職を減らし、一人でも多くの従業員を育成していく。

この人材不足の時代を乗り切る、という意味も含めて、
これからの飲食業界は、より積極的な人材育成が必要になってきます。

  • あなたは従業員にどのようになって欲しいのか?

このビジョンによって、従業員がどのように育つかが決まるのです。

お客様をファンにさせるNHKとはなにか?

では、私、榎本岳幸は従業員に
どのようになって欲しいと思っているのか。

参考までにご紹介します。

「お客様がそのスタッフにまた会いたくて、明日も来たくなってしまう、
圧倒的なNHKを身に付けて欲しい」

いかがでしょうか。

ここで「NHKってなんですか?」と思われた方も
多いと思いますので、NHKについて詳しくご説明します。

NHKとは・・・

  • N(ニコニコ)
  • H(ハキハキ)
  • K(キビキビ)

津気屋では、スタッフトレーニングの際には、
まずこのNHKを徹底的に教えます。

NHKを身に付ける事で、
一体どのような効果があるのか?

簡単に解説しましたので、ぜひこちらの動画を
ご覧ください。

NHK、なるほどという感じですが、
より具体的に正確にイメージするために、
これに定義づけをおこないます。

津気屋のNHK

例えば、参考までに津気屋のNHKの定義をご紹介すると、

N=「アイコンタクトをとった6秒スマイル」
H=「0.2秒の”ハイ!”という返事」
K=「0.2秒の動作」

というものです。
これについては、また改めて詳しくご説明しますね。

ちなみに、津気屋で働いた学生のアルバイトさんは、
就職率が格段に高いです。

その理由の一つとして、このNHKが徹底的に磨かれている、
というのがあると思います。

NHKが他人より130%できていると、100人のうちの20人に
余裕で入ってしまいます。

それは一体、なぜなんでしょうか。

答えは、そのような人材が求められているからです。

仕事や細かい作業は、就職してから
いくらでも教えることができますからね。
人間性が見られている、ということなのです。

このNHKは、売り上げにも大きく影響します。
特に、接客業には必須のスキルと言えるでしょう。

私は、このNHKを従業員に身に付けてもらって、

「この人に会ったら、また明日も来たくなってしまう」

そんな人間になって欲しいと思っています。
津気屋をやめても、変わらず魅力的な人間であって欲しいのです。

その人がいるだけで、お客様が集まってくる。
そういう人間でありつづけて欲しい、と思っています。

そして、そんな従業員が少しづつ増えてくるにつれて、
お店に行列ができ、繁盛店になる、ということなのです。

ハイ!の返事の重要性

ハイ!という返事に関連して、
なぜ返事が大切なのかをお伝えします。

スタッフを指導している時、ダルそうな、
やる気のなさそうな返事をされたらどうでしょうか。

トレーナーは仕事なので、責任として
教えるべきことを教えるために、その責任を
全うしようとします。

ですが、トレーナーだって人間です。

ダルそうな、やる気のない返事をされると、
「あぁ、教えてもらいたくないんだな」
と、どうしても思ってしまいます。

仕事なので、100あることは、きちんと
100教えなければなりません。

が、教わりたくないというのが相手の望みであれば、
それを叶えてあげたいと思ってしまうのです。

これは、意地悪とか嫌がらせ
という類のものではありません。

ダルそうな、やる気のない、教わりたくないような
返事をしていると、それに合わせてあげたくなる、
という心理が働いてしまいます。

なので、返事が悪いというだけで、
100教えなければならないところが、
80くらいになってしまうのです。

では、逆に最高の返事で
「はいっ!!!」だと、どうでしょうか。

教える方も、気持ちがいいはずです。

教える方が気持ちがいいと、100以上のことを
教えたくなってしまいます。

自分しか知らないスペシャルなテクニックなども
教えてあげようかなと思ってしまうのです。

大切なポイントは、

「相手を乗せる返事をする」

ということ。

これをすることで、一体なにが変わるのかというと、
自分に入ってくる情報が変わります。

良い返事をすれば、相手から120%の
情報が入ってくる。

返事が悪いと、相手から80%の情報しか入ってこない。

ここで、少し考えてみてください。

これが、人生単位で起こるとどうなるのか。

120%の情報をもらい続ける人と、
80%の情報をもらい続ける人。

一体、どれくらいの差がつくことになるのでしょうか。

相手が気持ち良くなるような、
「ハイ!」の返事を身に付けることで、
人生が大きく変わってしまうのです。

返事だけで人生が変わるなんて大袈裟な・・・
なんて思うことなかれ。

私自身、人生における返事の力、大切さを
身に染みて感じています。

返事なんて、今この瞬間から変える事ができるのです。

0.2秒で「はいっ!!!」

相手を乗せる返事、ぜひ実践してみてください。

アルバイトスタッフを育成するポイント

あなたは、アルバイトスタッフに何を望んでいますか?
私は、すべてです。

私は、アルバイトスタッフに、店内すべての作業を
できるようになって欲しいと思っています。

店内すべての作業とは、具体的には以下のようなものです。

  • 厨房、接客などの基本的な業務
  • トレーニング
  • 発注
  • シフト作成
  • クレーム対応

などなど。
本当に、お店の業務すべてです。

製麺もしますし、ラーメンもつくります。
スープもつくりますし、グリーストラップの掃除もします。

ポイントは、「アルバイトだから」という
ゴールをセッティングしてしまわないことです。

アルバイトにゴールを決めさせるのでもなく、
経営者が先にゴールセッティングをする、
というのが重要になります。

まずは、お客様に合格点をもらう

アルバイトを始めた当初って、覚えなければならないことだらけで
本当に大変ですよね。
 
例えば、商品名やその略語、オーダーの通し方や、
作業の優先順位だったりとか。
 
お店にはルールがあって、たくさんの人が同じ場所で働いています。
 
スムーズに仕事をするためには、まずは、お店のルールを覚えねばなりません。
 
そしてそれらのルールをしっかりと覚え、きちんと仕事ができるようになると、
店長から合格点がもらえるわけです。
 
ですが、ルールを覚えると言っても、お店にはたくさんのルールがあります。
それらを覚えるのには、やはりそれなりの時間がかかるもの。
 
店長から合格点をもらうというのは、そう簡単なことではないのです。
 
なので、私はアルバイトに、店長から合格点をもらう前に、
まず取らないといけない、もう一つの合格点についてアドバイスします。
 
それは、「お客様からの合格点」です。
 
お客様から合格点をもらう、というのは、お客様に
「一生懸命頑張っているな」
と感じてもらうことです。
 
笑顔で、元気に、一生懸命仕事をしている、
ということが伝わると、お客様は、「一生懸命頑張ってるな」と感じるのです。
 
上っ面はよくても、気持ちが込もっていないと
お客様はその違和感を感じてしまいます。
 
そんな上辺だけの接客をしても、合格点をもらうことはできません。
 
緊張する、失敗したらどうしよう、そう思う気持ちもわかります。
 
が、それでは自分のことばかり気になって、お客様と向き合うことができないのです。
 
商品の略語やオーダーの通し方をきちんと覚えていないからといって、
それはお客様には関係のないことです。
 
少しくらい接客が下手でも、商品名がうまく言えなくても、
最高の笑顔と元気で、一生懸命お客様に接客する。
 
そうすることで、お客様にその気持ちが伝わり
合格点をいただくことができるのです。
 
チームで働く以上、ルールは覚えないとなりませんが、
まずその前に、お客様から合格点をもらってほしい。
 
私は、アルバイトには、まずそう伝えます。
 
そして、そうやって失敗を恐れず、笑顔で、元気に、一生懸命に
お客様に向き合ってくれるアルバイトには、私をはじめ、他のスタッフも
精一杯のバックアップをします。
 
津気屋のスタッフは、みんなそうやって仕事を覚えてきたのです。
 
仕事での合格点をもらうことと同時に、お客様にも合格点をいただく。
 
緊張で固くなっているアルバイトがいたら、
ぜひアドバイスしてあげてくださいね!

お客様を見て接客の主導権を握る

お客様を見ているのか、
お客様から見られているのか。
 
この違いは、すごく大きいです。
 
通常、新人さんの場合は、
お客様から見られている、という気持ちで
仕事をしています。
 
見られていると思うと、緊張して萎縮します。
 
そしてその場合、主導権を
お客様に握られてしまっているのです。
 
お客様と店員どちらが上か、
という議論ではありません。
 
接客サービスをするうえで、
主導権を握らなければならないのは、
間違いなく店員である、ということなのです。
 
お客様に見られている、と思うことは、
お客様に主導権を握られている、
ということになります。
 
逆に言えば、お客様を見ている、
と思うことで、こちらが主導権を
握ることができるのです。
 
お客様を見ている、という意識を
しっかりと持って接客をすると、お客様から
見られている、という気持ちがなくなります。
 
そうすると、お客様と
きちんとアイコンタクトが取れたり、
視界が広がってきたりします。
 
お客様に見られているのか、それとも
お客様を見ているのか。
 
この気持ちの切り替え一つだけで、
接客そのものが圧倒的に変わってくるのです。
 
どうしても接客で緊張してしまう
というスタッフがいたら、
ぜひアドバイスしてあげてください。

ここまでが、

  • ゴールとプロセスを明確にして共有する

の概要です。

ここまでのお話を簡単にご説明した
動画をご用意しました。

よろしければご覧ください。

動画での概要説明【ゴールとプロセスを明確にして共有する】

次は、「良好な人間関係をつくり信頼関係を築く」について
ご説明させていただきます。

良好な人間関係をつくり信頼関係を築く

良好な人間関係をつくる

従業員と信頼関係を築く前に、まずは
良好な人間関係をつくる必要があります。

そのために実施することは、以下の4つです。

  1. あいさつをする
  2. ほめる
  3. イベントを開催する
  4. 誕生日をお祝いする

あいさつをする

あなたは従業員としっかりあいさつをしていますか?

「あいさつなんてしてますよ、当たり前じゃないですか!」
と思われるかもしれませんね。

実は、このあいさつに関して面白いデータがあります。

上司はあいさつをしていると思っているけれど、
部下はあいさつをされていると思っていない

もしかしたら、あなたのあいさつは、部下に
あいさつと認識されていない可能性があります。

実際に聞いてみたことがあるのですが、見事に
この通りの答えが返ってきました。

なので、津気屋では、こういうすれ違いを防ぐために
あいさつのルールを決めているんです。

せっかくですので、そのルールをご紹介します。

「アイコンタクトをとった6秒スマイル」

これが、津気屋のあいさつのルールです。

津気屋は、この「アイコンタクトをとった6秒スマイル」にのっとって
あいさつをする、というルールになっています。

なぜルールにしているのか、というと、そうすることで
より徹底しやすくするためです。

「アイコンタクトをとった6秒スマイル」を具体的に説明すると、

もし作業中であっても手を止めて、
しっかりと相手の目を見てあいさつをする

ということになります。

管理者のあいさつとはなにか?

管理者のあいさつ、という考え方があります。

もしあなたが、人や組織を管理する立場にあるなら、
このあいさつを意識してみてください。

といっても、なにも特別なものではなく、

しっかりとアイコンタクトをとって、
笑顔ではっきりとあいさつをしながら、

相手の様子を観察する

というだけです。

アイコンタクトや表情、声のトーン・仕草など、
あいさつの時の様子を、きちんと観察します。

毎日それをやっていると、

  • なんか調子悪そうだな
  • 怒ってる・ムカついている
  • 不満がある
  • なにかに困っている

というのが、敏感に感じ取れるようになるのです。
慣れてくると、なにを考えているのか
ほぼほぼ、分かるようになります。

で、「なにかあるな」と感じたら、そのまま放置せず、
「なにかあったの?」と声がけをしてあげるんです。

その場で解決できないようなことであれば、
2人きりになれる別の場所へ移動して、話を聞きます。

時間は、3分間でかまいません。

もし、その場で解決できないようなことであれば、
また改めて時間をとって話を聞いてあげるようにします。

こうすることで、店舗で起こる問題の多くは
解決できてしまうのです。

しっかり目を見てはっきりとあいさつし、
相手の様子を観察して「おかしいな」と感じたら
声がけして、3分話す

管理者としてのあいさつ、ぜひ意識してみてください。

ちなみに、「なにかあったの?」と聞いても
「なにもありません」という事がほとんどです。

もちろん、本当になにもない場合もありますが、
なにかある場合の方が圧倒的に多いので、
ぜひ3分でいいので話を聞く時間をつくってあげてください。

ほめる

上手なほめ方「3つのポイント」

従業員をほめる際には、以下の3つのポイントを
意識してほめる事が大切です。

  1. 良いところをほめる
  2. 相手がほめて欲しいところをほめる
  3. 相手の良くなって欲しいところをほめる

イベントを開催する

あなたのお店は、社内でなにかイベントを開催していますか?

  • 飲み会
  • 食事会
  • バーベキュー
  • 誕生日会

などなど。

もし、開催していなければ、
ぜひ一度開催してみてくださいね。

良好な人間関係を築くうえで、
イベント開催はとても効果的です。

コミュニケーションと共同作業、どちらが先か?

あなたは、コミュニケーションと共同作業の
どちらが先だと思われますか?

ちょっと分かりづらい質問かも知れませんが、
なんとなくイメージできますでしょうか。

これは、通常はコミュニケーションが先だと思われがちですが、
私は、共同作業が先だと考えています。

共同作業=共に時間を過ごす

例えば、仮に関係がうまくいっていない夫婦がいたとします。

彼らがコミュニケーションをとるためには、まず同じテーブルに座って
食事をする、などという共同作業をする必要があります。
まずは、同じ空間で過ごすとか。

共同作業をする前にコミュニケーションは取れないからです。

これは、非常に重要なポイントになります。

共同作業によってコミュニケーションを取りやすい環境をつくる、
というステップを意識してみてください。

お誕生日をお祝いする

私のお店では、従業員の誕生日に、
スタッフ全員でお祝いをします。

これは、ただの誕生会という趣旨ではなく、
もっと深い意味合いがあるんです。

津気屋で従業員のお誕生日をお祝いする理由。

それは、自分が生きていることを
認めてもらえているという感情を、
従業員に感じてもらいたいからです。

これまで1000人以上のスタッフと接してきましたが、

  • 自分の生きている価値が分からない
  • 自分のことが好きじゃない
  • 生まれてこなければ良かった

というようなスタッフがたくさんいました。

すべての人は、自分の存在承認を求めています。
その存在承認を満たしてあげるのが、「お誕生日を祝う」ということなのです。

繁盛飲食店実践会スタッフ画像

スタッフ全員でお誕生日をお祝いする「バースデーサークル」

信頼関係を築く

良好な人間関係と信頼関係の違い

良好な人間関係を築くことと、信頼関係を築くことは違います。
信頼関係は、相手の達成にサポートすることで生まれるのです。

人間関係を築く、その先に信頼関係がある、ということです。

例えば、みんなから人気があり、
人間関係をつくるのが得意な人がいます。

副店長クラスまではうまくやっていたけれども、
店長として責任者になった途端に、上手くいかなくなってしまう。
組織として機能しなくなってしまう。

そういうことは、よくあります。

良い人間関係だけでは、上手くいかなくなってしまい、
組織をとりまとめるためには、信頼関係を築くことが
求められるようになるのです。

他の従業員の成長・達成に関わり、しっかりとサポートして
できるようになったときに、信頼が積み重なっていきます。

それを蓄積していくことで、信頼関係を築くことができるのです。

ただ、他の従業員の成長・達成に関わるという事に
大きな恐怖感を感じる、という人も少なからずいます。

この壁を乗り越えることができず、店長になりきれない、
そういう社員もたくさんいるのが現実です。

信頼関係を築くために、この壁を突破できるかどうか。
これが、大きなポイントになります。

従業員の将来の夢やお店の中での目標を聞く

従業員個々の夢や目標を知っておくことは大切です。

津気屋では、これを明確にして共有しておかないと
スタッフトレーニングができません。

なので、新しく入ってきた従業員に対しては、私も含め
いろいろな人が夢や目標を聞いてまわります。

ここで、将来の夢を話してもらうための
すぐに使える簡単なテクニックをお教えしましょう。

まず現在のことを聞く
   ↓
小さなころの話を聞く
   ↓
将来の話を聞く

この3つのステップに従って、質問をしてみてください。

短い時間で信頼関係を築くことができるので、
かなり、将来の夢を話してくれる確率が高まるはずです。

詳しくご説明した動画を用意しましたので、
よろしければご参考にしてみてください。

ただ、将来の夢を聞いても、なかなか正直に話してはくれません。
みんなが話してくれるわけでもないです。

しっかりと時間をかけて、人間関係・信頼関係を築くことも
必要だという事を覚えておいてください。

将来の夢を叶えるために何をすればいいのかを繋げる

将来の夢・ゴールと、会社の中でのゴールを合わせて繋いであげる。

お店での仕事を頑張ることが、お客様のためにもなり、
自分のためにもなる、ということを理解させてあげます。

そうすることで、お店での仕事は自分の将来に役立つ、
将来の夢を叶えるために、今頑張っているんだ、という
内発的動機づけ(モチベーション3.0)が発動するのです。

従業員の将来の夢の達成とお店でのゴールの達成に本気で関わる

これは、相手に良くなってもらいたいという気持ちと、
言ったら嫌われるんじゃないかという気持ちの闘いだと言えます。

強引にやる必要はありません。

ただ、行動が変わらなければ、未来は変わらない。
出来ることが変わらなけば、未来は変わらないのです。

相手のために、そして自分のお店のために、
ゴールの達成に本気で関わるという姿勢が必要だと考えます。

鼻毛が出ていたらちゃんと教えてあげる

もし、目の前の人の鼻毛が出ていたら
あなたはどうしますか?

ちゃんと教えてあげるのか、気付いていないフリをするのか。
これは、目の前の人が誰かにもよると思いますので、
ケースバイケースという要素も大きいと思いますが・・・。

津気屋では、「鼻毛が出ていたら教えてあげてね」って
従業員に伝えています。

もし、誰かが言ってあげなかったら、その人は
仕事中もずっと鼻毛が出たまま仕事をして、
お客様に笑われてしまうかもしれません。

なので、きちんと教えてあげましょうね、
ということにしているんです。

ちなみに、私も従業員に「社長、鼻毛が出てます!」と
指摘されたことがあります。

よほど勇気を振り絞って言ってくれたんだと思って、
感謝してしまいました。

このように、感謝されるような関わりを持つことで
信頼関係が築けるのではないか、と思っています。

ここまでが、良好な人間関係をつくり信頼関係を築く
というパートです。

では、次の「役割を明確にして個人の能力を上げ役割をまっとうする」
についてご説明します。

役割を明確にして個人の能力を上げ役割を全うする

役割を明確にする

従業員の、お店での役割を明確にする、
ということが大切になります。

役割を明確にするためのポイントは、次の3つです。

  • お店の中のポジションの役割を明確にする
  • 役職ごとの役割を明確にする
  • アルバイトスタッフの役割を明確にする

責任の所在、仕事の範囲など、それぞれの役割を
明確にしておくことが必要です。

チームワークにおける大切なポイント

良好な人間関係と信頼関係

チームワークって、一体なんでしょうか?
これを直訳すると”共同作業”という意味になります。

チームワークに大切なもの、それは「良好な人間関係と信頼関係」です。

チームワークにおいても、良好な人間関係と信頼関係は
必須の要素になります。

自分の役割を100%こなすこと

チームワークとは、良好な人間関係と信頼関係において
1つの仕事を分業してやる、ということです。

その中で、助け合いはしますがヘルプはしません。
どういうことか説明します。

例えば、洗い場に新人スタッフさんが入って
仕事が回らなくなってしまった場合。

放っておくと、お店が回らなくなるので
そこは助けてあげます。

ですが、そこで
「本来なら、この仕事はあなたが1人でやる仕事です」
と、きちんと伝えます。

同時に、できなければいけないことを、
今できていない、ということも伝えます。

洗い場の仕事の役割が決まっているので、
それをきちんと理解してもらうのです。

決められた役割を100%こなしてもらわないと、
例えば、80%しかこなせない場合、
あとの20%を他のポジションの人が助けなければ
いけなくなってしまいます。

そのヘルプをしてしまうと、最後はお客様を我慢させてしまう、
ということになってしまいます。

なぜなら、100%の仕事量がなければ、お客様に
満足していただける仕事にならないからです。

ヘルプをすると、一見仕事が回っているように見えます。

ですが、実はお客様に不満足を与え続けている、
という状況が続いてしまっているのです。

ただ、できないことは仕方ありませんので、役割と
今できていないということは、きっちりと教えてあげ
100%の仕事をこなせるように導いてあげることが大切になります。

自分の役割をまっとうする、という意識を持ってもらう
ということです。

個人の能力を上げる

マニュアル

個人の能力を、マニュアルで管理します。

  • 業務マニュアル
  • ハウスルール
  • 理念
  • 基礎知識
  • ポジション別マニュアル

などです。

マニュアルに関しては、なんでもかんでもマニュアル化する
必要はないと思っています。
マニュアルが無いお店もたくさんありますから。

あまりたくさんマニュアルを作り過ぎても、
使いこなせず、誰も守らないということも起こります。

もし、これからマニュアルをつくろうと思っているなら、
「接客用語集」
がシンプルで使いやすく、おすすめです。

このマニュアルに関しては、いろいろな考え方があります。

なんでもかんでもマニュアル化してしまうと、
サービスが画一化され、せっかくの接客業が面白くなくなってしまう、
という意見も聞かれます。

ただ、新人さんにはマニュアルがあった方が、
格段に仕事がやりやすいです。

自分で考えなくとも、マニュアル通りに話せばいいからです。

知識も経験もない新人さんには、どの場面でどういう言葉を
使えばいいのか、はっきり言って分かりません。

おすすめ商品を聞かれても、うまく答えることはできません。

いきなり自分の頭で言葉を考えて話すのは、
本当に難しく、ハードルが高すぎるのです。

なので、ケースごとに使う言葉を定型文で決めておいて、
それをマニュアル化しておくと、新人スタッフの
教育もスムーズにいきます。

基礎用語をマニュアル化しておくことで、
より余裕を持って接客できるようになるので、
ぜひ作ってみてください。 

評価シート

マニュアルと評価シートは連動しています。

マニュアルで書いていることが、できているかいないか、
それをチェックするのが”評価シート”です。

評価シートがあることで、従業員の仕事を客観的に
判断することができ、とても便利です。

少なくても構わないので、重要な項目だけでも
ピックアップして作成してみてください。

動画マニュアル

動画を使ってマニュアルをつくることで、
言葉で伝えるよりも分かりやすく、正確に
伝えることができます。

百聞は一見にしかず、ということですね。

最近は、スマホで撮影してYoutubeにアップロードし、
そのリンクをLINEなどで共有すれば、
いつでもどこでも見ることができて便利です。

参考までに、こちらが津気屋で使っている、
動画マニュアルの一例になります。

ぜひご覧いただき、参考になさってください。

なお、動画マニュアルは、最高のものを用意してください

この動画であれば、最初にこの動画を見た従業員は、
この笑顔が頭に入ってしまうのです。

例えば、コップ洗いの様子を撮影するなら、
最高のスピードで最高に丁寧に洗います。

最初に見たものが、その後の基準になってしまうからです。

命がけで、コップを洗ってください!

そして、教育の際には、最初はスピードではなく
クオリティを意識させるようにすることが大切です。

クオリティが低いままスピードを上げてもいけません。
結局、もう一度やり直さなければいけなくなるからです。

いきなりスピードは追及しない。
ですが、ゴールのスピードは最初に見せてあげる。
これが重要です。

個人の能力を上げる

従業員の仕事中の動画を撮影して、実際に本人に
見せることも、非常に効果があります。

自分では早く動いているつもりなのに、動画を見てみると
思っているより早く動けていなかったとか。

一生懸命やっているつもりなのに、なんだか
やる気がないように見えるとか。

自分の動画を見ると、ハッとすることがかなりあるのです。

「もっと早く動けるように頑張ってください」
というと、「いや、動いてるし!」と思われてしまいます。

なので、実際に動画を撮影して、見てもらうんです。

本人は一生懸命動いているつもりでも、
思ったより動けていない。

「こんなはずじゃない!」と、理想と現実のギャップを埋めるために
従業員は自ら成長していくようになるのです。

厳しいですが、ここで「別にこれでいいんじゃないですか」
という人材は、そのお店で働くのは難しいのではないかな、と思います。

できないことを明確にする

できないことを明確にする、というのは、
人材育成において、とても重要です。

できない事を明確にするというのが、できない事をできるようにするための、
まず最初のステップになります。

なぜなら、本当はできないのに、できると思っていることは、
一生できるようにはならないからです。

確かに、できない事を指摘されたり、
明らかになったりすると、ヘコんだり、
ショックを受けてしまうかもしれません。

「自分にはできるんだ!」と、
できない事を認めたくない気持ちもあるでしょう。

ですが、おめでとうございます!

できない事が分かるということは、
それができるようになるための第一歩を
踏み出した、ということなのです。

できない事があるということは、
まだまだ伸びしろがあるということ。

人は、できない事がある限り、
いくらでも成長できる可能性があるのです。

考えてもみてください。

あなたは、この世の中の果たして何%のことをできるでしょうか。

できない事の方が、圧倒的に多いのです。

なので、できなくて当たり前です。

できない事でショックを受けたり、
ヘコんだり、恥ずかしがる必要は
まったくありません。

私も、できる事なんて、たかが知れています。

寝る間を惜しんで、一生かかって頑張っても、
世の中のことの、ほんの少しも
できるようにはならないのです。

なので、自分ができないことに対して、
いちいちショックを受けたり、ヘコんだりする必要なんてないわけです。

できる事よりも、できない事の方が
圧倒的に多いんですから。

「できない」なんて、悩んでいる時間がもったいないです。

できない事を明確にして、とにかく一つでも
できることに時間を費やす。

そういう考え方を持っておくだけで、
人材育成の成果、スピードが全く変わります。

ぜひ、参考にしてみてください。

そしてこれは、人材の育成だけでなく、
人としての、人生そのものの考え方としても
重要だと考えています。

私も、人生を終えるまでに、
一つでも多くのことができるようになりたいです。

なので、日々の時間を大切に、
さらに修行を積んでいきたいと思います。

できないことができるようになるのは、本当に楽しいことです!

作業スピードの重要性

作業スピードを高めることは、とても重要です。

作業スピードが高いということは、同じ時間内で
より多くの仕事ができる、ということです。

より多くの仕事ができるということは、
より多くの価値を提供できる、ということになります。

相手に提供した価値は、自分に返ってきます。

価値を提供すればするほど、
自分が受け取る価値も多くなるのです。

「人に与える価値=自分が受け取る価値」

作業スピードが早いことは、お店に対して
より多くの価値を提供でき、自分の付加価値を
高めることができます。

同じ時給なのに、必要以上の仕事をするのは損。

そんな気持ちもあるかもしれません。

確かに、受け取る金銭以上の仕事をするのは、
経済的な面だけを見ると、損をしていると言えるでしょう。

ですが、その相手に得をさせた分は、きちんと自分に返ってきます。

「なぜそう言い切れるんですか?」

まず、人間の持つ心理のひとつに、
「返報性の原理」というものがあります。

簡単に言うと、人は他人になにかをしてもらったとき、
自分もなにかお返しをしなければならない、という感情のことです。

私のお店には、先ほどもご紹介したマニュアルとチェックシートで
きちんと従業員を評価するシステムを作っています。

お店に価値を与えてくれた人には、その価値を
しっかりと返していける。

そんな、お店にも従業員にもフェアなシステムづくりをしています。

もう一つは、

それが「自然の摂理」だということです。

人に得をさせれば自分も得をし、
人に損をさせれば自分も損をする。

スピリチュアルな話だと思われるかもしれませんが、
私は、これは真理だと考えています。

作業スピードを上げ、生産性を高めることで、
より多くの価値を提供できる。

それが自分の付加価値を高めることに繋がり、
やがてその与えた価値が、自分に返ってくるのです。

「作業スピードを上げる」

ぜひ人材育成の一環に、取り入れてみてください。

→ 関連記事はこちら

作業スピードと品質のバランスを意識する

先ほど、「作業スピードを上げる」という話をしました。
 
が、スピードを意識しすぎるあまり、
仕事の品質が落ちてしまっては元も子もありません。
 
皿洗いのスピードを上げることに必死になって、
きちんと洗いきれていなかったり、
慌ててお皿を落としてしまったり。
 
1枚洗うのが少なくてもいいから、
落とすことなくキレイに洗える方がいいです。
 
飛行機や新幹線にしても、速さを追求するあまり
安全性が落ちてしまうようでは、それは
付加価値とは言えませんよね。
 
ちょっと時間がかかっても、安全性が高いほうがいいです。
 
スピードと品質のバランス、これが大切になります。
 
きちんと品質を確保したうえで、
スピードを上げる、と意識することです。
 
それを意識して日々繰り返すことで、品質を保ちながら、
スピードもアップすることができるようになるのです。
 
何事もバランスが大切、ということです。

アルバイトがアルバイトを育てる環境づくり

これまでご説明してきたような方法で、トレーニングの効果性を高めて
アルバイトにも人を育てる喜びを知ってもらいます。

そして、アルバイトがアルバイトを育てる環境をつくるということが
繁盛飲食店の人材育成において、とても重要になります。

社員教育はもちろん、アルバイト育成のシステム作りも
繁盛飲食店をつくり、永く経営していくための秘訣です。

お客様の心をつかんで離さない人材を育成する方法

お店を繁盛させるためには、
リピート客を増やす必要があります。

何度もリピートしてもらうためには、
お客様を感動させ心をガッチリとつかみ、
お店のファンになってもらわなければなりません。

このパートでは、お客様を感動させ心をガッチリとつかむ
接客の方法、トレーニング、心構えなどについてお伝えしていきます。

アンテナを磨く

お客様の心をつかんで離さないためには、
常にアンテナを磨いておく必要があります。

何のアンテナを磨いておくのかというと、
「お客様の望みを叶えてあげるため」のアンテナです。

では、アンテナはどうやって磨いていけばいいのか。

その方法とポイントは、こちらの記事で
詳しく解説していますのでご覧ください。

→ お客様の心をつかんで離さないためのアンテナの磨き方

お客様の期待値を超える

お客様を感動させることによって
口コミが起こります。
 
口コミを起こし、お店を繁盛させるためには、
お客様に感動していただく必要がある、
ということです。
 
では、お客様に感動していただくためには
どうすればいいのでしょうか。
 
そのポイントは、
「お客様の期待値を超えること」
 
・お客様の期待値を超える=感動
・お客様の期待値どおり=満足
・お客様の期待値以下=不満足
 
ということになります。
 
お客様の期待値を超えて感動させ、
口コミが広がっていくと、お客様が
どんどん増え、お店は繁盛します。
 
逆に、お客様の期待値を下回ると、
マイナスの口コミが広がっていき、
お店の評判を落としてしまうことになります。
 
お客様の期待通りだと、
特に口コミも起こらず、現状維持のまま。
 
ここで問題になるのは、口コミが広がって
お客様が増え、お店がどんどん繁盛してくることで
ご来店されるお客様の期待値も上がってしまう、
ということです。
 
お客様の期待値が上がることによって、
感動していただくことが、どんどん
難しくなってしまいます。
 
例えば、私のお店の
「ご来店時のあいさつ」の例です。
 
ご来店されたお客様には、
 
「こんにちは!お客様ご来店です、
いらっしゃいませ!」
 
と5、6人くらいで一斉にごあいさつします。
 
他のラーメン店ではなかなか見られないくらいの
ハキハキ、元気なあいさつだと自負しています。
 
自分のお店だから、というところを差し引いても、
なかなかここまで元気なあいさつをしている
ラーメン店はないはずです。
 
ですが、アンケートには、
「元気がなかった」と書かれるお客様が
結構いらっしゃるのです。
 
これが、
「お客様の期待値が上がっている」
という状態です。
 
なので、これらのお客様の期待値を
上回るためには、あいさつも、さらに
進化させる必要があります。
 
お店を繁盛させ、維持していくためには・・・、
 
常に進化し、成長し続け、お客様の期待値を
上回る商品・サービスを提供し続ける必要がある、
ということなのです。
 
お店を繁盛させれば、あとは安泰、
ということではありません。
 
お店を繁盛させてからが、本当の勝負です。
 
難しいのは、繁盛店をつくることよりも、
繁盛店を維持していくこと。
 
もし、超がつくほどの有名店でも、
それにあぐらをかくことなく、常に進化し、
成長し、お客様を感動させ続けることを、
忘れてはなりません。
 
そこをおろそかにしてしまうと、
遅かれ早かれ、お客様の足が遠のいていくことに
なってしまうのです。
 
「お客様の期待値を超える」
 
ぜひ意識して、取り組んでみてください。

扉が開いた瞬間に「0.2秒」でウェルカム

お客様に与える第一印象というのは、本当に大切です。
第一印象は最初の6秒で決まってしまいます。

飲食店というのは、一度入ってしまうと出られません。

お客様は入店するのが不安なのです。

お客様は、お店の扉を開けてから時間が経つごとに
どんどん不安が大きくなっていきます。

なので、お客様が扉を開けた瞬間に最高の笑顔と元気で

「こんにちは!いらっしゃいませ!」

とウェルカムをする必要があるのです。

絶対に、1秒も待たせてはなりません。
お客様の不安は、秒単位で大きくなっていくからです。

扉が開いた瞬間にウェルカムをしてもらうことで、
お客様はホッとして、第一印象も良くなります。

第一印象が良い、ということは
すべての面でメリットになってくるのです。

第一印象が、すべてを握っていると言っても
過言ではありません。

その詳しい理由は、こちらの記事で解説してあります。

ぜひ参考にしてみてください。

→ 第一印象がすべてを握っている理由とは?

人の心をつかむスキルを手に入れる

「人は、欲しいものが欲しい時に
欲しい分だけ欲しい人から欲しい」
 
あなたが人を教える立場にあるなら、
ぜひみんなに伝えてあげて欲しいと思います。
 
これができるようになると、必ず
人に喜ばれる、人の心をつかむことができる
人間になっていきます。
 
これは、いつでもどこでも、
そして一生使える考え方なのです。
 
自分の財産となります。
 
事実、津気屋を巣立って社会人になっていく
アルバイトスタッフの多くが、就職活動でも、
就職してからも大活躍しています。
 
たまにお店に来てくれて、
 
「アルバイトで厳しく仕込んでもらった意味が、
社会に出てようやく分かりました。
 
津気屋で学んだことのすべてが役立ってます。
 
同期の人間よりも、頭一個出てるような感じで
仕事ができています。
 
やってる時は厳しいな、って思ってましたが、
他のところで働くようになって、その意味が
ようやく分かりました。
 
本当にありがとうございました!」
 
って、言ってくれます。
 
こう言ってもらえると、
教える方としても本当にうれしいですし、
本気で教えてよかったなぁと思うのです。
 
私は、津気屋で働く経験を通して
社会に出ても即戦力で通用するようなスキル、
考え方を身につけてもらいたいと考えています。
 
せっかく、津気屋というお店を選んで
貴重な時間を使って働きに来てくれているのです。
 
お金だけでなく、お金以上に価値のあるものも
たくさん手に入れて欲しいと思っています。
 
その中でも特に大切なものの一つが、
「人の心をつかむスキルを手に入れる」
ということです。
 
「人は、欲しいものが欲しい時に
欲しい分だけ欲しい人から欲しい」
 
これを常に意識し続けることで、
人の心をつかむためのアンテナが
どんどん磨かれてきます。
 
まさに、一生使えるスキルを
身に付けることができるのです。
 
「〇〇で働くことができて良かったです。
本当にありがとうございます!」
 
って、言われると本当にうれしいですし、
人を育てる喜びというものを感じることができます。
 
ぜひ、人材育成の一環に取り入れてみてください。

繁盛飲食店の人材育成方法まとめ

私が、津気屋でおこなっている人材育成の方法を
一通りご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今、飲食店は深刻な人材不足と言われていますが、
私のお店はスタッフで困ることがありません。

信頼できる従業員、幹部候補も育っています。

私のお店は、現在ほぼアルバイトだけで営業することが
できるようになっているので、社員は数人しかいません。

スタッフの比率で言うと、アルバイトが9、社員が1、という感じです。
時間帯によっては、全員がアルバイトという時もあります。

「榎本さん、アルバイトだけでお店を回して大丈夫なんですか?」

という質問を必ず受けますので、最初にお断りしておきます。
答えは、なんの問題もない」です。

アルバイトだからといって、商品やサービスの品質が
下がることは、全くありません。

私のお店は、社員もアルバイトも関係なく、すべてのスタッフが
すべての仕事を高いレベルでこなせます。

なので、アルバイトだけでお店を回そうが、全く関係ないのです。

あなたがもし、人材育成で悩んでおられるなら、まずは
この記事に書いてあることを、そっくりそのまま
実践してみてください。

私と同じような結果が得られるはずです。

なぜなら、この記事の内容は今現在も、私が実際に
やっている事、そのものだからです。

そして、この内容を実践していく中で、分からないこと、
疑問やうまくいかないことが出てくると思います。

そんなときは、いつでも私に質問してください。
個別のご相談もお受けしております。

  • さらに詳しい内容を知りたい
  • 従業員の人材育成システムを取り入れたい
  • アルバイト育成を自動化したい

など、ご質問やお問い合わせは、
こちらよりお願いいたします。

少しでも、あなたのお力になれるとうれしいです。

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